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<2003年6月>


 いつの間にか花たちが咲き始めて、緑一色の茶花の庭も、色をましています。山紫陽花の蕾も、初夏の風を受けて開花を待っています。 今回は、私の茶花の先生である、広山流の所秀芳先生のことをお伝えしたいと思います。

卆寿を過ぎられて、なお、お目にかかった一昔前と少しも変わられず、まるで時間が止まったかのように優雅で気品に満ちた立ち居振舞いのお姿に接する度に、出会うことが出来た喜びをかみしめる私です。

広山流を支えられる大切な先生であり、多くの門下生にとっての憧れの女性でもある所先生は、竹久夢二の世界を彷彿とさせるお姿でいつもきちんとおしゃれをされ、そしてすぱっと竹を割ったような語り口ではっきりとお話をされます。

茶道と茶花と多くの門下生を育てられ、今なおかくしゃくとして、誰よりもお元気で、日々のお稽古を続けておられます。優しく、品のいい茶花を生けられる先生の、その教えを受けられたことが私の生き方をかえることになりました。
                 

思いがけず、花を生ける仕事に関わることになった今、所先生との出会いがあってようやくたどりついた道の途中であることを実感しています。

日本の四季の、初夏から夏に至る緑の一番美しいとき、日々の暮らしのなかで、ひと時でも花にたずさわって、季節を感じていられることのよろこびを大切にしたいと思っています。

秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/