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<2003年10月>


月の光が明るく庭を照らして、秋の夜の静けさが広がっています。まだ、オレンジ色にまたたいて、火星が月から少し離れて行こうとしています。

先日、近郊の山にでかけました。すすきが風になびいて秋の山の美しさが心をゆさぶります。ダムの傍を通って三瀬トンネルをぬけると視界が開け、人気のそば処があって、その先の静かな場所に、多くのファンに知られた山の中のギャラリーがあります。『いっぷく彩』 花好きのオーナーが、愛好家には羨ましい野の花や山の花に囲まれて暮らしています。

 峠にふさわしいあたたかくてしゃれたランチを提供しながら、全国から選りすぐられた気鋭の陶芸家たちの作品を置き、そして、年に数回クラシックやジャズの演奏家を招いてコンサートを開いています。気さくで優しいオーナーは、自身が野の花をいけられるので、テーブルなどにはいつもほっとする空間が漂っています。

 そのギャラリーで、来春、支部の山の花展をさせていただく予定です。支部に所属するシャンソン歌手の『うめのかずこ』 さんとのコラボレーション。生けるものも歌うものも、絶好の場所を得て楽しみにしています。

11月26日 その『うめのかずこ』さんのコンサートが、『アクロス福岡』の円形ホールで行われます。私も彼女の歌うピアノの傍に花を生けます。午後6時開場・6時30分開演です。ご来場いただければ幸いです。空が高く澄んで、風の匂いがいざないます。コスモスが揺れ薄の穂が光って、山道の脇に、牡丹くさぎの赤い花が野紺菊の中に咲いていました。今年の秋は、たくさんの時間を山の中で過ごしたいものだと願っています。
  

秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/