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<2004年6月>

今年待ちに待った百合水仙が咲きました。知人の庭に毎年たくさん咲くこの花が大好きで、球根ごと何度もいただいて植えては花が咲くまでに至らず、根つきがいいのにと不思議がられておりました。

そして、植えた場所もいつしか忘れてその家を引っ越し、空き家になったままのその家を訪れる機会があって、ふと懐かしさに門の中をのぞいてみましたら、蘇鉄の木の下にかの百合水仙が群生していました。幸い、その家の隣人は、かって私の教室に通ってお稽古をした人ですから二人で大喜びで掘りあげ、それぞれの家で花を咲かせることにしました。

そして一ヶ月ほどたったころ、これから咲きますよと言わんばかりに、花の咲く茎がすっと伸びて、待ちに待った美しい花を咲かせました。多少後ろめたい思いで、「私が植えた花だし、家が取り壊されて造成されればかわいそうだから引越ししましょう・・・」などといいながら掘り起こしてきたのですが、大好きな花の姿にいつしか動機がうすれていきました。

<アルストロメリア・プルケラ>もうひとつの名前を持つブラジル原産の独特の雰囲気のある花は、日ごとに咲き出して、ようやくにして根付いてきたようです。
来年はもっと増えて、地味な茶花の庭にひときわの彩を添えてくれることでしょう。
花好きのかの隣人も、すごく欲しかったけれど私が黙って採るわけにはいかなくてといいながら、うれしそうに掘り返していましたから、今頃大喜びをしていることでしょう。

秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/