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<2006年2月>
立春が過ぎ、今年はこのまま暖かくなると思っていましたが、朝目覚めると一面の銀世界でした。ようやく水仙が開いてあたりにいい香りが漂い、待ち望んだバイモ百合なども芽を出して春を感じておりましたので驚きましたが、まだ2月に入ったばかりなのであることを認識したところです。 

東京で久しぶりに懐かしい方々にお会いしてまいりました。友人と一緒に、どうしてもお会いしたかった茶花の先生である所先生にお目にかかって、本当に嬉しいひと時を過ごしました。今年94歳になられる先生の、やさしい凛とした立ち居振る舞いを拝見するにつけ、伝統の世界に身をおく者の、いい意味での礼儀や作法が失われていっていることを、自らをも含めて大いに反省しなければならないことを、あらためて痛感いたしました。きちんと着物をお召しになって弟子であるものに腰を折られて、挨拶に始まって挨拶に終わるという基本をしっかりと示されることを、何事も四捨五入するものの考え方の若い世代は、きちんと受け止めなければならないと思いました。伝統文化が形を変えていく必然と、道(どう)としての継承の意味を考えるところに来ているのではないかと思います。

 雨が突然大きなボタン雪に変わり、そして、また氷雨に変わって、一日のうちに何度もお天気が変わっています。 夕方晴れ間が少しのぞいたので、やり残したままの黒百合の植え付けをしました。いろいろとあって、遅い植え付けなので、今年は芽吹きが見られないかもしれないとあきらめています。三寒四温、まだ寒さはこれから本番なのでしょうか。
秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/