昨年の四月、花展のための花材採取で生徒さんの持ち山に入って、立派な 接骨木(ニワトコ)が美しい新芽をつけているのに出会いそのうちの数本をいただいて我が家の庭に植えました。この春、真っ先に芽吹いて素朴な風情で春を告げています。東京から持ち帰った白玉椿と生けてみました。この季節、生き生きと新鮮な空気を漂わせています。
いただきものの大きな白菜を、新鮮なうちに漬物にしてベランダの隅に出し、一息ついて庭を眺めているうちに、あちこちから芽を吹いている雑草が気になりだして、1本2本と抜いているうちに、腰痛で通院中であり、中腰を禁じられていることをすっかり忘れて、気がつけば昼食も忘れ草取りは庭全体に及んでおりました。昨年の暮れまで、杖に頼らなければ歩けないほどに悪化していた腰痛が、転医によってあっけなく痛みから解放されるや否や性懲りもない野放図さで愚を繰り返していることに気づき、あわてて中断したところでした。
それでも、一部を残してぐっと開放的になった庭は、これから迎える芽だしの頃の新緑の美しさを堪能するに十分な空間を有し、少々の腰の痛みには変えがたい満足感を味わうことになりました。そして、愚かなことに、当初の目的でもあった昨日購入した春咲きクリスマスローズの植え付けも忘れて二階に駆け上がり、ベランダからきれいになった庭を見下ろしながら鉢の入れ替えなどを考えたりしたのでした。明日はまた、先のクリスマスローズを植えなければなりません。
散漫な神経は、亡き母を悩ませていたことを思い出した一日でした。 |