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<2006年3月>

黒文字・利休梅・柳

庭一面がやわらかい緑に包まれる季節の到来です。玄関先に生けていた、春一番に咲く敬翁桜が散って柔らかな新芽が吹いてくると、そのまま捨てることが出来なくて花後の処理をして美しい葉桜を生けました。

雲龍柳もきれいな新芽に覆われ、小米柳・かわ柳・そして黒芽柳と沢山の柳に黒文字を添え真っ白い利休梅を入れました。新しい季節の始まりは、少々の体調不良も吹き飛ばして、朝から庭に出て小鳥の声を聞きながら芽生えたばかりの雑草と格闘です。やわらかくてすっと抜ける雑草が、数センチにも満たないのにもう花芽をつけているしたたかさに驚きながら、種の継承という言葉をかみしめたところです。

稽古帰りの生徒さんが、玄関先の玉砂利に、抜いても抜いても生えてくるこの草に闘志を燃やして、「これって結構快感」などといいながら抜いていたことを思い出し「ほんと、癖になりそう」などと一人言を言いつつきれいに抜いてしまいました。それでも、あと何日かするとまた芽生えてくることでしょう。クセニナリソウ・・・・

WBC
の世界大会を、日ごろめったに観ることのない野球にもかかわらず、昼食抜きで釘づけになって、本当に久しぶりの感動を得ました。日の丸を背に頑張る選手たちに感動し、日の丸を背に応援する気持ちを、改めて認識しました。この日、おそらく大変多くの人々の心に日本という国が焼きついたのではないでしょうか。貪欲に、羞恥なく自国の利益を追求するアメリカの巨大な論理の前に、心で対峙したニッポンがあったように思います。子供たちに野球熱が燃え上がってきているとメディアが伝えています。殺伐としてきた未来に希望が持てる気がしています。
秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/