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<2006年4月>
チャンチン

このところ風雨の強い荒れ模様のお天気が続いて、庭の桜も上のほうを除いて沢山散りました。まだ満開とはいえなかったのですが、庭のあちこちに花びらの吹き溜まりが出来て、雨に打たれています。上のほうには、ちらほらと蕾も見えておりますので、まだもう少し桜は楽しめるかもしれません。

街路樹も浅黄色に新しい芽を吹き始め、グリーンベルトに植えられたカナメモチの真っ赤な新芽と対照的で、本当に美しい季節がやってきました。この季節に毎年目にする美しい街路の高木が、チャンチンというセンダン科の樹木であることを知りました。
優しい薄紅色の新芽が、無機質なビルの端や角々のロータリーで目を引いて、なんて美しい樹木なのかと、バスで通るたびに思っていたのですが、雨の日に近くのターミナルから歩道を渡ってふと顔をあげると、目の前のホテルの入り口に沢山の幼木が芽を出していました。

なんともいえない淡い色に思わず携帯のシャッターを切りましたが、大荷物に傘のいでたちで、ぼやけた画像になってしまいました。
ほんのひと時の美しい新芽が終わると、濃い緑に変わり、なんとも味気ない高木になることが信じられないほどです。トチノキ科のマロニエも、同じように美しい姿が変化していくようです。日常を生きる過程で、少々の嫌なことがおきたりしても、自然の美しさに触れることの出来る幸せは、得がたいものであることを実感する季節でしょう。
秀可

広山流 福岡支部 [風の教室] http://www.shu-ka.net/